実験地形学・堆積学研究室

自然のありのままの姿は人間社会の未来への道標


 地球や地球型惑星の表層で起きる物質移動を対象に、それらのダイナミクスを解明および地表環境の過去から未来への推定をめざしています。主に大気や水の流れ(流体)、重力によって土砂が運搬されて形成さ れる地層や地形について、物理的なメカニズムを知ることをテーマにしています。

  • モデル実験を通した自然の理解
  • 空間的時間的に(人間から見て)巨大な現象を実験室で再現し、観察分析する。自然界の現象に関わる要素すべてを同時に実験室に盛込むことは不可能だが、それらの中でどの要素が現象の鍵となっているのかを見極めることが主たる目的である。
  • 主な研究内容
  • ・河川網の時間発達とそれを支配する要因との関係
    ・地層形成モデルとハイエタス(無堆積または浸食で地層が失われた地質記録の空白)に関する情報抽出
    ・砂丘発達過程や海底乱泥流の加速メカニズム など
  • 研究から見えてくるもの
  • 現在の日本国内では、人々の生活の周りに本当の自然はほとんどない。砂浜は、砂防ダムによって土砂が運ばれず痩せつつある。河川は護岸工事によって直線化され、生態系を育む場は少ない。地表環境の成り立ちについて、その物理的なメカニズムに対するさらなる理解を通して自然の摂理を知り、新たなる自然観のもとに、本来の自然と人間とが共生する道を探りたいと考えている。
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