海洋環境変遷学研究室

過去の気候変動から地球気候システムを理解する

過去の海洋環境の変遷を紐解くことで、海洋の気候応答性や気候変動に果たしてきた役割を明らかにし、地球気候システムの理解を深めることを目指して研究を行っています。堆積学、微古生物学や地球化学などの手法を使って、海洋が辿って来た環境変化を調べています。

  • 海洋堆積物は海の古文書
  • 海洋底の堆積物は過去の海洋環境情報を克明に記録しています。研究船を使って長尺の柱状堆積物試料を採取することで、自然が本来持つ百年を超える長周期の気候変動や、数十年間で起こる急激な気候変動を復元することが可能です、こういった変動の原因や世界各地への影響を理解することが今後の気候変動を予測する上でも重要です。
  • 有孔虫微化石は天然の水温計
  • 有孔虫という海に生息する原生生物が作る炭酸カルシウムの殻(直径1 mm以下)は、周辺海水の温度を記録しています。そのため、堆積物に保存された有孔虫微化石の化学組成を分析することで、形成時の水温情報を得ることができます。また、有孔虫微化石には水温以外の情報も記録されており、まさに海洋のマルチセンサーということができます。
  • 日本海は世界でも特別な海
  • 独自の深層水を形成する日本海は、世界を見ても珍しい海です。新しく作られた深層水にはたくさんの酸素が溶けていますが、過去には無酸素状態に陥ってまるで"死の海"になってしまったこともあります。気候変動の高感度センサーとも言える日本海が辿って来た変遷を理解することで、今後、温暖化によって何が起ころうとしているのかを理解するヒントが得られると期待されます。

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