水質地球化学研究室

環境浄化の方法を自然から得る


福士 圭介 (准教授)

 私たちは、水・土壌汚染から地球環境変動まで地球表層での環境変化に影響する化学反応(特に水の関与する反応)を理解し、環境浄化技術を開発することをテーマにしています。アプローチには、フィールド調査で環境変化を発見→その化学反応を室内実験→その機構の理論を解明という手法を用いています。主な研究を紹介します。

  • 自然界の陰イオン移動に関わる化学反応を分析、浄化方法を考える
  • ヒ素やリンなどの陰イオンは水や土壌を汚染するが、地球表層に存在する金属酸化物は陰イオンをよく吸着する。そのメカニズムや吸着力を数値化する手法について研究している。あるヒ素鉱山排水河川を調査したところ、シュベルトマナイトという鉱物がヒ素を吸着していた。最近では、モンゴルで発見したモノハイドロカルサイトに、水に溶けたヒ素を吸着する性質があることがわかった。以上の鉱物の環境浄化材料への実用化を進めている。
  • 鉱物学的・地球化学的手法による地球環境変動解析
  • 堆積物中の鉱物組成は水質や環境によって決まる。フブスグル湖の81m(深度56.8mは78万年前に相当)コアにおける炭酸塩鉱物の組成を分析し、過去環境を推定する研究を行っている。
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