モホールサイエンス研究室
地球の姿を知るという、壮大な夢を追いかけよう!
荒井 章司(教授)
「21世紀モホール」、日本が建造した地球深部探査船「ちきゅう」を使い、海洋底にマントルへ到る孔を掘り、マントル物質を採取する科学計画が進行中です。地球は核(重量は全体の30%)、マントル(同70%)、地殻(同0.4%)で構成されていますが、直接的な情報を得られるのは、いまだに地殻の表層1/3に過ぎません。地球内部ではマントルに対流が生じ、上昇流はマグマを生産して海洋底を、下降流は島弧を形成しています。海洋底は形成される一方で、古いものは海溝から深部へ沈み込み、地震やマグマを発生させています。海洋底やマントルの理解は、地球の真理を知ることにほかならないのです。
- なぜ、海洋底?
- 海洋底は大陸に比べ、地殻が薄く、地球内部への窓となる。また、海洋底の最古の岩石は約2億年前のもので、沈み込む海洋底は地球環境を映じた堆積物を形成。すなわち、海洋底の掘削により2億年間の地球環境記録が得られる。
- 計画実現へ、モホール・サイエンスを構築中
- モホール成功に向けて、マントル由来の物質の解析や「オフィオライト」という地質体を研究している。オフィオライトは、かつてのある種の海洋底が地殻変動により陸上にのし上げられたもので、地殻とマントルの境界(モホ)、最上部マントルに関する知見獲得が期待される。