同位体地球学研究室

地球の時計を読み、壮大な歴史のページを綴る


長谷部 徳子 (教授)

 地球年代学・放射年代測定を通して、日本列島や地球の成り立ち、地球環境変動史を明らかにすることをめざしています。年代測定には、放射性同位体の親元素が娘元素に替わる物理現象を利用します。

  • 研究アプローチは
  • ある地域においてある年代にどのような現象があったのか、を知るためには、「どのような物」を使って「どのように分析」すべきかを考えることが基本である。分析法では物理・化学的な知識を用い、「物」については地学や考古学的な知識が必要である。
  • 東アジア五カ国で共同研究
  • 近年、環境問題との関連から第四紀(258万8000年前~現在)の年代測定に取り組んでいる。私が所属する環日本海域環境研究センターでは、日本・韓国・中国・ロシア・モンゴルによる共同研究を進めており、各地域での調査に基づいて環境変動の比較を行っている。研究対象は湖の堆積物である。湖の堆積物はその地域における人間が活動している陸域の環境変動を見るのに適している。
  • 将来は野望は
  • 新しい測定年代法を提案したいと考えている。また、どのような試料をどのように採取し、どのような手法で分析すべきか、というデータを蓄積した年代センターのようなものを組織したい。

※放射性同位体による年代測定

陽子の数が同じで中性子の数が違う原子を同位体という。自然界に存在する同位体(親元素)の中には、不安定なために放射線を出して安定した同位体(娘元素)に変わっていくものがある。これが放射性同位体である。親元素は一定の時間が経つと1/2になり、さらに同じ時間が経つと1/2の1/2に減少する。この原理を応用して、元素の量の変化から時間=年数を割りだす。

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