植物自然史研究室
生物の進化のなぜ?を明らかにする
植田 邦彦(教授)
生物の多様性と進化の要因を明らかにすることをめざし、DNAによる系統構築やフィールドでの生態調査に取り組んでいます。
- スミレの繁殖の特異性を究明
- スミレは虫媒花と閉鎖花の2種をつけ、蕾のまま自家受粉する閉鎖花が全種子の95%を産する。北陸でも多種のスミレが生息するが、虫がまだ行動しない春先から虫媒花をつける。以上においてスミレが2種の花をつける要因、北陸のスミレが生態的に矛盾をはらみつつも繁栄している要因をDNA配列データで解き明かしていく。
- コモウセンゴケの系統を分析
- 食虫植物のコモウセンゴケは本州宮城県以南~東南アジア~オーストラリアに分布し、東海地方には固有のトウカイコモウセンゴケが生息する。生物は、遺伝情報であるゲノム1組を何組持つかにより2倍体、3倍体のように分類されるが、トウカイコモウセンゴケは6倍体、コモウセンゴケは4倍体である。トウカイモウセンゴケの由来をコモウセンゴケの分布各地で探っている。