動物・微生物生理化学研究室

ユニークな生理機能を分子レベルで解き明かす


(右から)福森 義宏(教授)、
金森 正明(講師)、
田岡 東(准教授)

 本研究室では、動物や微生物を用いて、エネルギー代謝や環境適応機構について分子レベルでの研究を行っています。

  • 驚異の巨大ヘモグロビン
  • 有鬚動物マシコヒゲムシは消化器官を持たず、体内の共生細菌が硫化水素から合成した有機物をエネルギーに変換する。酸素と硫化水素を供給するのは血管中の細胞外ヘモグロビンであり、その構造はヒトヘモグロビンとは異なる巨大な超分子複合体である。私たちはその構造や働きを分子レベルで解明している。また、ヒトヘモグロビンは血管中では機能を失うため、血管中で機能する有鬚動物巨大ヘモグロビンの研究は、人工血液の開発への指針として期待される。
  • 磁石を体内に合成する細菌
  • 磁性細菌は鉄を吸収して磁鉄鉱を合成し、細胞内のマグネトソームに蓄える。これによって地磁気を感知し生育に適した環境へ移動する。私たちはマグネトソームの構造と機能を明らかにし、原核細胞の細胞骨格やオルガネラの働きや形成過程、生物鉱物化作用のメカニズムの解明をめざしている。
  • タンパク質のサポート役
  • 数十万種類以上のタンパク質があり、それらは特有の立体構造をとることで機能を発揮する。新生タンパク質の正しい構造形成や変性したタンパク質の再生を助けるのが分子シャペロンであり、それらの機能に関する研究を行っている。
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