植物園

なぜ、生物の、ある種は性を転換するのか?


木下 栄一郎(准教授)

 私たちは自然選択という視点「生物の繁殖力が生存可能数の上限を超えると、生涯繁殖成功(子をどれだけ残せるか)の最も高い形質が生き残る」から進化を考えています。とくに性転換に取り組んでいます。

  • 性転換の要因を数式化する
  • 性転換とは個体の性別が一生の間に変化する現象で、海産の無脊椎動物をはじめ生物界に広く見られる。性転換の要因を説く理論には、「雄と雌の繁殖成功が体のサイズによって異なると性転換が進化上有利になる」という体長有利性説がある。たとえば、ランダムに交配する生物や一夫一妻の生物では、雄はサイズに関わりなく多数の精子を生産して繁殖成功を確保できるが、雌は、繁殖成功を決める産卵数がサイズに左右される。そこでサイズの小さい時期は雄、サイズが大きくなってから雌になる。数々の性転換の現象にはいまだその要因が明らかになっていないものがあり、私たちのアプローチを待っているのである。
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